西荻窪にはたくさんのカフェがありますが、ここまでゆっくりと過ごせて、かつ地域に密着したお店が住宅街の中にあったなんて…
西荻窪にはまだまだ知らないお店があるんだなぁと改めて感じさせてくれました。
今回ご紹介するのは、中央線沿線で『読書大好き本の虫!』な方にも、『キャー活字ニガテー!』な方にも、是非チェックしてほしいブックカフェ「beco cafe」です。
ブックカフェってどんなカフェ!?
ブックカフェとはその名の通り本を読める、購入できる喫茶店を指します。
お店によりシステムは異なりますが、beco cafeならではの3つの楽しみをご紹介します!
①お茶を飲みながら気になった本を購入できる
読んでいる本に、うっかりこぼしてしまったら…なんてことを考えると、お茶をしながらの読書はなかなかスリリング。
ですがなんと!becocafeにはお茶をしながらでも読める本をまとめた本棚があります。もちろんこれらの本も売り物です。
『商品なのに、いいの?』なんて心配になってしまいますが、このシステムは、このコーナーに本を置いている方の希望だそう。お茶をしながら読書を楽しめるのです。
②知らない誰かがbeco cafeに置いた本を楽しめる
お店の奥の部屋には大きな本棚があり、文庫本がぎっしりと並びます。
棚をよく見ると、本と本の間には「生まれ年、性別、血液型、星座、生まれて始めて衝撃をうけた本」等の情報が表紙に書かれたノートがいくつか挟まっています。
実はこちらの棚には、『ノートに書かれたプロフィールの方』がお店に貸している本が並んでいます。
名前も知らない誰かのチョイスした本たちの中に、自分と似た趣味のものを見つけると、その人が他にどのような本を読んでいるのか興味が湧きますよね。
同い年、同じ血液型の誰かが選んで集めた本というだけでシンパシーを感じませんか?ステキです!
③本を目的としなくても気軽に入れる雰囲気と価格設定
書き物や、パソコン作業にもよく使われるというbeco cafe。
普段の生活から使ってもらいたいという思いから、カフェメニューはお手頃な価格設定です。
『日頃本読まないからなぁー』というあなたも「まずはお茶だけでも」と気軽に訪れてみてはいかが?
ふと気がつくと本を手に取って読み耽ってしまっているかも!?
他にも、本に出てきたメニューなど、読書家をワクワクさせてくれるメニューも提供しています。
そんなわけで3年目を迎えたbeco cafe。
お店のこれまで、そしてこれからについて店主の渡辺さんにお話を伺いました。
──西荻窪のカルチャーにピッタリとはまるbeco cafe。どのようなかたちでスタートしたお店なのでしょう?
渡辺さん:始める前は、吉祥寺の本屋で働いていました。その後、経験を活かしつつカフェもやりたいと考え、今のbeco cafeが出来ました。
お店の人間が本を揃えると、どうしても趣味が偏ってしまうので、私達のチョイスしたものは置かず、お店がつながりを持った方から本を借りるシステムにしたのです。
──本を置かせてくれる方は何名くらいいらっしゃるのでしょう?そしてそれらの人脈はどのように築かれたのですか?
渡辺さん:カフェスペースだけで5名くらいの方に協力いただいています。
本屋で働いていたときに、書店員で集まる会に参加して、今の人脈を築きました。
── beco cafe × 西荻窪 ──
──本を集める方の数だけ、様々な種類の本をお店に置くことができますね。訪れる方にとっても次に読む本を探すにはうってつけの場所でしょう。
お店を西荻窪に出したのは、カフェや古本屋さんの多い土地柄があってのことですか?
渡辺さん:土地の文化というよりも、中央線沿線、吉祥寺と近いことが決め手となりお店を出しました。
いざお店を始めてみると、書き物や、パソコンでの作業にbeco cafeを使っていただけたりと、西荻窪でクリエイティブなお仕事をされている方々がよくいらっしゃいます。そうした面でもいい立地に立てられたように感じます。
──お店では月に一度のペースで本に関連したイベントが行われていますね。これらのイベントは渡辺さんが企画されるんですか?
渡辺さん:いいえ、イベントは持ち込んでいただくかたちをとっています。書店の頃からの知り合いの方が企画してくれたりします。
一度そういったイベントをやると次の広がりがぞわっと広がったり。
そうして出会った方にうちを使っていただけたりもして。繋がりが広がるって素敵なことです。
──お店のイベントだけでなく、「西荻まち歩きマップ」への掲載など、地域にも開かれた場所であることがbeco cafeが人気の理由ではないでしょうか?
渡辺さん:フリーペーパーだったり、『別のお店に紹介されて来ました』と訪れてくれる方もいて、すごくありがたいです。喫茶店としてもオープンな場所でありたいと思っています。
お茶も普段の生活の中で使ってもらえるような値段設定にしています。
ブックカフェではありますが、本を目的としない方にも気軽に訪れて欲しいと思っています。
──ありがとうございます。最後に今後のヴィジョンを教えていただけますか?
渡辺さん:本に関しての発信の場でありたいと考えています。また、喫茶店の感覚で、訪れる方の生活の一部になれれば嬉しいです。
それらを上手に両立していくことが今後の目標になります。
読書の秋。こんなに本を身近に感じられる場所が西荻窪にありました。
次の一冊をお探しの方、落ち着いてお茶を飲める隠れ家をお探しの方に、beco cafeをオススメします!
(ライター:松村)