ボゴランマーケット、エントランス

荻窪とアフリカを繋ぐ架け橋『ボゴランマーケット』

 

ジャンベという打楽器をご存知だろうか?

 

木をくりぬき(※)、ヤギの皮を貼った西アフリカの太鼓『djembe(ジェンベ)』。

座って演奏する場合は細くなった下部を足の間に挟んで演奏する。叩く位置と叩く手の形により、数種の異なる音を出し分けることが可能だ。

最近では、ストリートミュージシャンが叩いている大きな太鼓として見覚えある方も多いのではないだろうか。

 

この打楽器は、マリ、ギニア、ブルキナファソ等の国に分布しており、それらの国では〈numu〉といわれる鍛冶屋の家系の人が作って演奏するものだそうだ。

 

ボゴランマーケット、ジャンベのイメージ画像

 

ジャンベは、今でこそ日本各地の楽器屋で簡単に手に入るようになっているが、30年程前にはなかなか入手できない代物だった。

そんな中、日本にこの文化を継承したのは、”ママディ・ケイタ”というギニアのプレイヤーだったという。

彼が各地でライブや、レクチャーをするうちに日本でもジャンベが徐々にブームになり、現在に至るのだ。

 

一節によると、ママディ・ケイタのドキュメンタリー映画のタイトルが「ジャンベフォラ」と日本語表記されたことから、日本では「djembe(ジェンベ)」「ジャンベ」と言われるようになったと言われている。

 

 ※ジャンベの素材である木の種類は製造される地域によって異なる。素材によってサウンドも異なり、ボゴランマーケットでは「レンケ」「バラフォン」「アカジョ」「ドゥキ(ディンブ)」という木が主に使われている。

────────────────────────────────────────────

 

 アフリカ専門店「ボゴランマーケット」とは?

 

今回紹介させていただくお店は、そんなジャンベの販売や修理を行う「アフリカ民族楽器のプロショップ」と、アフリカ雑貨やアクセサリー等を扱う「アフリカ専門店」の2つの顔をもつボゴランマーケットだ。

ボゴランマーケットの開店は2004年。去年まで阿佐ヶ谷南にお店を構えていたが、現在は荻窪駅寄りにお店を移し、今年の6月にリニューアルオープンした。

 

ご存知の方も多いかも知れないが、実はこの場所は『放駒部屋』という相撲部屋だったところ。
元は相撲部屋のあったスペースだけあって、広々としている。

 

ボゴランマーケット、外観

 

私が初めてボゴランマーケットを訪れたときは、店主の西森さんが店頭でジャンベの皮を乾燥させているときだった。

荻窪なのに、まるでアフリカにいるうような風景が私の心を掴んだのだ。

 

オレンジ一色に塗られた外壁に青の扉が際立つ。外観からすでにアフリカ情緒が漂う。

インテリアもとても素敵なお店だ。

 

ボゴランマーケット、店内

 

店内にはかなりの数のアフリカ雑貨、小物が陳列されているが、天井の高い広々とした店内が雑多に感じさせない。

特に棚一面に並べられたジャンベの数に圧倒されるだろう。

 

ジャンベは現地から入荷されるものと、国内で生産されるものの両方を販売しており、ジャンベの修理も行っている。(※皮張りは紹介制

また、セセ(下写真)というジャンベに装着する共鳴用のアクセサリーは、西森さんが一から作るという。

 

ボゴランマーケット、ジャンベ

 

ピアスやブレスレットなどのアクセサリーも充実していて女性一人でも気軽に訪れて、アフリカの雰囲気を楽しめるお店だ。

ネット販売も行い、全国から注文があるというこちらのお店。なんと本場のセネガルなどのアフリカ各国の演奏者からの修理の依頼も多いという。

 

ボゴランマーケット、商品

 

異国を訪れたようなワクワクを与えてくれるお店『ボゴランマーケット』について店主の西森さんにお話を伺った。

 

──2004年にオープンし、いよいよ、来年で10年目を迎えるボゴランマーケットですが、なぜ『アフリカ専門店』だったのでしょう?



店主:実ははじめからアフリカ専門店と決めていたわけではないんです。もともとは雑貨屋をしたかったんですけど、そのときにアフリカ音楽と出会いました。そこからアフリカ専門店をしようと決意し、札幌でお店を出し、そして、2年後に上京してきたんです。

 

──西森さんがそのときに聴いたアフリカ音楽は、専門店を初めてしまうほどの衝撃を与えてくれたんですね!札幌から上京というのも思い切った決断だったのでは?

 

店主:実は阿佐ヶ谷が私の地元なので、知った土地に戻った感覚です。
嬉しいことに場所は移っても全国のお客様からジャンベの注文や修理のご依頼をいただいています。

 

──私も楽器を演奏しているのですが、大切にしている楽器を、安心して修理に預けられる人って結構限られてしまうんですよね。

そういったお客様とのつながり、信頼関係を築けることこそが、お店を続ける喜びにもつながってくるのではないでしょうか?

 

店主:そうですね。今は修理屋、職人としてお店にいることが多く、一年で大体100件以上の修理を引き受けています。
一度修理で関わった方に『この先も、なにかあったらボゴランマーケットに相談する』と言ってもらえて、長いお付き合いが出来ることは本当に嬉しいことです。

 

──来年で10年目を迎えるボゴランマーケット。今後どのようなお店として続いていくのでしょう?

 

店主:現状維持で!(笑)ボゴランマーケットとしては何年もやっていますが、この土地ではまだ出来たばかりのお店です。今は、先を見すぎず、目の前のことをきちんとしていきたいと考えています。

 

 

ボゴランマーケット、チャリティー
▲ボゴランマーケットはチャリティーグッズも販売する。1枚買うごとに1000円が寄付されるチャリティーTシャツ(写真左)、日の丸カラーで作られたロープ(写真右)は1メートルごとに40円が寄付される。

 

 

体の芯まで響く心地良いリズムを流してくれるジャンベ。そしてアフリカの、これまで触れたことのなかった文化に触れる珍しい雑貨やアクセサリー。

荻窪駅から天沼陸橋を超えた場所に、こんなワクワクさせてくれるお店があったとは!

 

気になる方には是非とも足を運んでもらいたい。

アフリカをもっと好きになるきっかけとなるだろう。

 

(ライター:松村 写真:松村)