とりこアイキャッチ

『とりこ』が受け継いだ荻窪ならではの餃子

 

食欲をそそる香ばしい香りと、肉と野菜の絶妙なバランスで作られた餡のうまみ。焼き目はパリっと、皮はもっちりとしたその食感。

 

我々日本人の間には浸透している焼き餃子だが、餃子の生まれ故郷である中国ではあまり食されることはない。

中国では、全土で蒸し餃子が多く食され、北京以北では水餃子が主流となる。

 

我々日本人がが好んで食べている焼き餃子は、お米に合うおかずとして独自の進化を遂げたものなのだ。(※)

  

今では、杉並区だけでも色々なおいしい餃子を出すお店と巡り会うことができるが、今回紹介させていただくのは、なんとも荻窪らしい雰囲気を醸し出すお店だ。

 

荻窪駅から徒歩3〜4分。南口の路地に建つ「とりこ」は、昨年の2月に、もともとおいしい餃子が食べられるお店として人気だった同店を店主がを継ぐかたちで、メニューも一新、再オープンした。

テイクアウト用のカウンターも外に付いていて、持ち帰りだけの利用者も多く見受けられる。

 

とりこ外観

 

現店主は神戸の出身。気さくで話上手なキャラクターはオープンからすぐに人気となり、地元の方に愛されてる。

 

店内には中央線の飲み屋さんならではの活気があり、地元の常連さんで賑やか。
広くはないが、十分に居心地のいい雰囲気だ。

店内の改装も現店主がご自分で手がけたそう。とても器用で活発的な方である。

 

とりこ店内

 

オーソドックスな焼き餃子と人気メニューの海老餃子を注文する。
焼き餃子はにんにくのあり・なしが選べて、翌日のにんにくの匂いが気になる方にも優しい。注文から数分で卓にやってきた焼きたての餃子を早速いただいた。

 

とりこメニュー ▲写真左:作り手の「匠」を感じる味わいの焼き餃子
▲写真右:酢と胡椒の「酢胡椒」。この食べ方は餃子の下味のおいしさを引き出してくれる。



薄めの皮で包まれた焼き餃子は、餡にしっかりと旨味が染み渡っている。綺麗に包まれ、焼き加減も丁度良く、1つ1つが丁寧に作られていることが食べてすぐに分かる。「これぞ荻窪餃子!」と納得できる味わいだ。

 

とりこメニュー 海老餃子▲写真左:(オススメ!!)海老餃子
▲写真右:海老餃子と相性抜群の、ピクルスから作る自家製タルタルソース。この組み合わせは海老が苦手な方にもトライしてもらいたい



同じく海老餃子も薄めの皮で包まれ、海老のピンク色が透ける。プリっとした食感で海老の甘みが口いっぱいに広がる。味付もしっかりとされているので、たれ無しでも十分においしい。ピクルスから作ったというこだわりのタルタルソースも相性抜群なのでお試しいただきたい。

 

※…餃子が日本に浸透したのは戦後のこと。中国の「鍋貼」と呼ばれる料理の調理法に倣い日本で作られ始めた。中国北部の主食は小麦で、餃子とご飯は一緒に食べない。一方、焼き餃子は、ご飯に合うおかずとして、日本人に受け入れられたのである。
ちなみに餃子を初めて食べた日本人は、「水戸黄門」としてお馴染みの水戸光圀と言われている。

 

 

 荻窪に降りたら
ふらっと気軽に足を運びたくなるお店へ

  

地元の常連さんを始めとした多くの方々に愛されるとりこ。お店について店主に詳しく伺った。


──既存のお店をが引き継ぐかたちで「とりこ」が始まったのが昨年2月。これまでもお店をされていた経験はあるんですか?


はい。学生のときから厨房に立っていて、今も「とりこ」と同時に地元神戸のバーのオーナーもしています。

その前にはラーメン屋を営んでいて、そのとき餃子を作った経験が今役立っています。
神戸の珍味『油かす』というメニューも同じように地元で知ったメニューです。

これまで厨房で学んできた食に関する全てのことが、「とりこ」では活かせていますね。

以前より前のオーナーとも面識があり、お店を引き継ぐことになってから上京することになりました。



──初めて住む土地でお店を引き継ぐというのも凄い決断です!オーナーのキャラクターもふくめ、お店の雰囲気の良さもとりこの魅力のように感じました。『こんなお店に!』というコンセプトやヴィジョンがあれば聞かせていただけますか?



お客様に笑顔で「ごちそうさまでした。また来るね!」と言ってもらえるお店がいいなと思います。
そうなるためには必然的に料理が美味しくて、お酒が楽しく飲める場所じゃないといけません。
『また来たい』と思ってもらえることがやり甲斐だったり、喜びになります。
ふらっと顔を出したくなるお店。それはこの先の目標でもあるんです。

 

とりこメニュー サイドメニュー▲ 写真左:神戸の珍味「油かす」 右:ローストキャベツ

とりこ 弁当 ▲今月から始まったとりこのお弁当も要チェック!!

 

 

最近では一押しの自家製燻製やお弁当(写真)の提供も始めた。(ランチタイムのお弁当の販売は、持ち帰りのみとなっています。)

 

餃子だけにとどまらない店主の料理への飽くことなき探究心は、私達をこれから先もずっと笑顔にし続けてくれることだろう。

おいしい餃子をつまみに、楽しく飲める地元の餃子店、とりこ

 

あなたの荻窪ライフを更に楽しくしてくれるお店かもしれない。

訪れたことが無い方にこそ是非とも足を運んでみてほしいお店だ。

 

 (ライター:松村)