プチ・グレース

荻窪名菓PETIT GRACE で出会った本物の味

 

今の季節、見た目に涼しい雪玉のような焼き菓子が人気の老舗が荻窪にある。

昭和50年創業の洋菓子店『PETIT GRACE(プチグレース)』
今では荻窪近辺のみならず、全国から注文が集まる、杉並を代表する洋菓子店だ。

荻窪駅から環八沿いに歩き15分〜20分ほどで、住宅街の中からひょっこりと顔を出す『PETIT GRACE(プチグレース)』に到着した。


プチグレースの外観

 

可愛らしい店内で迎え入れてくれた店主の佐藤さん。
小さな店内を彩るアンティークのインテリアもご自身で揃えたそう。
洋菓子屋さんというよりも、お菓子作りの先生の家に訪れたようなアットホームな雰囲気を感じる。

卓上のカードに描かれたメニューは「スノーボール」と「雪月花」という二種類のみだが、「ショートブレッド」という予約を受けて提供するメニューもある。

荻窪名菓PETIT GRACE! 3種の味をご紹介!


看板商品のスノーボールはサクッとした歯ごたえが特徴の球体のクッキー。信州産のくるみが香る一番人気の商品だ。

シナモン
の風味豊かなクッキー雪月花は、和紙に包まれた丸型クッキー。和菓子のような、洋菓子のような独自のテイストだ。
PETIT GRACE(プチグレース)』でしか味わうことが出来ないその味は、全国的な人気を誇る。

予約メニューのショートブレッドは個包装の四角いクッキー。店主の佐藤さんが英国留学中に現地の方から教えてもらったものだそうで、本場のレシピを忠実に再現したその味は著名人からも人気高い。こちらは電話またはFAXにて予約が必要



荻窪の小さなお店で作られる3種類のお菓子を求めて、全国から注文が集まることから、『PETIT GRACE(プチグレース)』の提供する味が本物であることが伺える。

2000年から8年の間、事情があり閉店していたというこちらのお店。
その間にも再開を望む手紙、電話を受け、後押しされながら再開に踏み切ったという。

PETIT GRACE(プチグレース)』がお客さんを惹き寄せ続けたものとは何だったのか。
お店のこれまでについて、そしてこれからのことを店主の佐藤さんに伺った。


プチグレースの商品と店内
▲皿左上:ショートブレッド 皿右上:スノーボール 皿中下、左下:雪月花      


最も大切にしていることは、
本物を作り続けてお客様と良いつながりを築くこと


──昭和50年の創業ということですが、どのようなかたちで『PETIT GRACE(プチグレース)』は始まったのでしょう。

 

佐藤さん:もともとお菓子作りは好きでした。出来上がったお菓子を、お友達に配るだけの趣味だったんですけど、ある日知人がお店を出したら?と言ってくれて。
そこが始まりでした。そのとき私は渋谷に住んでいたんですけど、丁度荻窪に居抜きの物件を見つけたんです。
それまではお店の経験もない素人でしたから、お客様に支えられて今日までやってこれたと思っています。

 

──お菓子に対して純粋な愛情があったからこそ、お店としても真の味を追求出来たのではないでしょうか。看板メニューのスノーボールをいただき、優しい味わいの中に妥協のないこだわりを感じました。

 

佐藤さん:ありがとうございます。私がお店を続ける上で最も大切にしていることは、本物を作り続けて、お客様と良いつながりを築くことです。

『PETIT GRACE(プチグレース)』のお菓子は添加物は使いません。例えばスノーボールは最上級の小麦粉や信州産のくるみなどの吟味された素材を使い、一つ一つが人様のお口に入ることを考えて作らせていただいています。
包装を開けて、「わぁ、きれい」と感じていただき、食べて「おいしい」と喜んでいただけるものこそ本物だと信じています。

 

嬉しい事に一度来てくださったお客様のほとんどはリピーターになってくれるんです。そして買っていく際に、何か一言添えてくれるんですよ。
そうしたお客様から頂いた感動は、それに応える活力になり、お店を続ける上での喜びにもなるんです。

 

──本質を見失うことなくお菓子、お客さん両方と向き合ったからこそ、見えてくる喜びではないでしょうか。
数々の著名人にも愛されるお店としても知られている『PETIT GRACE(プチグレース)』ですが、どのような歴史を経てお店は知られていったのでしょうか?

 

佐藤さん:とあるデザイナーさんがファッションショーの引き出物として、うちのお菓子を使って頂いたんです。
そこから他の雑誌などにも紹介しもらい、皆さまに知っていただけました。
今では全国から注文をいただきます。地元の方でなくてもリピーターになってくれることは本当に嬉しい事です。

 

──全国的に名を広める『PETIT GRACE(プチグレース)』ですが、その後転機がありましたね。閉店後の再開の経緯についても伺っても構いませんか?

 

佐藤さん:2000年に色々な事情でお店を続けていくことが難しくなり、一度お店を閉めたんです。
その間にも皆さまから再開を望むご連絡をいただけて。お店場所は変わりましたが、この小さなお店からもう一度始めようと決められたんです。

ー皆さまが待ち望んだ再開だったはずです。佐藤さまがそれまでに築いた「本物の味」と「つながり」があったからこそ皆さまが再開を望んだのではないでしょうか。
再開から5年経った『PETIT GRACE(プチグレース)』のこの先のヴィジョンを教えていただけますか?

 

佐藤さん:この先も百貨店にお店を出したりとか、そういったことは考えていません。
根強くご贔屓にしてくださる皆さまのおかげで続けられると思っています。
そのつながりの延長が、お菓子の文化になるのではないかと思うんです。
強いていうならお店をもっと駅から近い場所にというのは考えたりはしますけど、根本的な姿勢は崩さずにお店を続けていきたいと考えています。

 

プチグレースの店主とお菓子の写真
▲今回取材にご協力いただいた店主の佐藤さん  ▲包装を解き、蓋を開けたときの感動も大切にする。並んだスノーボールが美しい

 

始終笑顔で穏やかに取材に応えてくれた佐藤さんの「本物」への追求。

それがあったからこそ今の『PETIT GRACE(プチグレース)』はある。

 

取材後、お土産にスノーボールを買ってお店を出た。

帰り道の足取りが軽く感じられるのは、また荻窪で素敵なお店を見つけられたからだろう。

 

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※お知らせ※

 

PETIT GRACE(プチグレース)は「第4回すぎなみスイーツフェア」に出店します。

日時 : 11月9日(土) 午前10時〜午後330分 , 1110日(日) 午前10時〜午後230
(プチグレースは両日出店)

場所 : 桃井原っぱ公園(杉並区桃井3-8-1)

お問い合わせ : 03-3393-1501(すぎなみスイーツフェア実行委員会)

 

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(写真/ライター:松村)