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音楽を今よりもっと身近に感じる 荻窪ROOSTER

 

荻窪ROOSTERが他のライブハウスと決定的に違うところは、たとえ1人で訪れてもライブとお酒、食事を楽しめることだ。いつしか緊張は解け、お店を出る頃には名残惜しさを感じてしまうだろう。

 

荻窪駅西口改札から南側に出ると線路沿いに「音楽食堂」の赤い看板が目に入る。

「ROOSTER」は、ブルース、ジャズ、R&B、ファンク、アコースティックもの等々、さまざまなジャンルの演奏を楽しみ、お手頃で美味しい料理を味わえるライブハウスだ。

 

荻窪ROOSTERの入口写真 

ジャズ、ブルースなど様々なアーティストの描かれた地下への階段を下り扉を開く。木の壁と机、赤い椅子、演者を近く感じられるフラットな演奏スペースはまさに「音楽食堂」といった佇まいだ。

19時〜22時半までがライブタイムとなっている。2ステージ制だが、入れ替え制ではないので、ゆっくりと音楽に耳を傾け、美味しく飲めるところもこちらのお店の魅力の一つだろう。

 

荻窪ROOSTERの店内写真

荻窪ROOSTERの料理写真▲人気メニューのジャークチキン(¥600)ライス付きでも¥700   ▲ビールといえばソーセージ!3種のソーセージは ¥600


「お一人様にも楽しんでもらえる場所」が
荻窪ROOSTERのテーマ

 

特筆すべきは、「ROOSTER」では初めてでも、お一人様であっても、見る人全員を楽しませるスキルを持ったアーティストだけが出演している点だ。

 

「1人でライブハウスに行って、アーティストの身内だけが盛り上がり、なんだか知らない友人のパーティーに来てしまったような疎外感を、訪れる人に持って欲しくはなかった」とオーナーの佐藤氏は語る。

 

アーティストだけではなく、オーナーや店長も、前説やショーを積極的に行い、訪れる人を誰ひとりとして置き去りにはしない

試行錯誤の末、ようやくこんなお店になれたと、これまでを振り返る佐藤氏

「ROOSTER」について詳しくうかがった。


 

 

「好き」から始めたからこそ求め続ける           

              「ライブハウスの理想形」

 

 

ーライブハウス経営、雑誌やタウン紙等の執筆、バンド、など様々な方面でアクティブに活動をされている佐藤さまですが、どのような経緯でルースターは始められたのでしょうか?

 

佐藤氏:元々は私も演者側の人間でしたが、もっとスキルのある人が集まってその演奏を見れたほうが面白いんじゃないかと思ったんです。それならその場を作ってしまえと決めました。

物件はやっぱり中央線沿いが良かったんです。タイミング良く荻窪で空き物件と巡り会えたのがここの始まりです。

 

ルースターには180度コンセプトが違う2号店もある。

杉並公会堂そばのルースター・ノースサイドだ。ルースター本店は連日プロミュージシャンが出演しているが、ノースサイドはなんと貸切専門ライブハウスというコンセプトでスタートしたそうだ。

 

佐藤氏:実はお客さんの中には「おやじバンド」とかやっている方々がけっこういらっしゃったんですね。でも、演奏する場所がなかったんです。それならそういうお店があったらいいな、そう思って始めました。

 

貸切が中心のお店ですので2005年のオープン以来、ずっと看板すら出してませんでしたけど、最近、やっと看板を出しました(笑)。

貸切ってすっごく楽しい空間なんですね。たとえば同窓会みたいなのって店ごと貸切がいいですもの。

 

このほかノースサイドでは、毎週月曜日には誰もが参加可能なブルースセッションをやっています。バンドをやってなくてもステージで演奏できるわけですね。

月曜日は会社帰りの方々が集ってますよ。たとえライバル会社の社員であったとしても笑いながら飲んでいる。

こういうのって音楽の力なんですよね。

 

楽しい記憶が残るお店はまた行こうとなりますよね。

ブログに「世の中、創業は江戸時代なんていうお店もありますゆえ、あと300年くらいはやりたいです。」とありましたが(笑)この先ルースターを続けて行く目標も伺っておきたいです。

 

佐藤氏:ニューオーリンズのオープンな雰囲気のライブハウスを見てきて、日本人と音楽との距離感もいつかこうなって欲しいと感じました。

音楽が楽しくて身近なもので、ライブハウスという場所が今よりもっと通いたくなる場所になれば最高ですね。

 

荻窪roosterのオーナー、店長との3ショット写真と店内の写真

▲写真左:前代未聞!まさかの3ショット。ウエルカムなのはお客さんに対してだけではない。オーナーの佐藤氏(左)私、店長の重松氏(右)

▲写真中:ステージの合間のショーはROOSTERスタッフ自らが行う。お一人様も楽しませるための工夫は店内至るところに見られる。

▲写真右:壁にかかる名高いアーティストたちの写真の中には、“ほっ”とできる知った顔も。

 

佐藤氏の著書、「荻窪ルースター物語」で触れられるライブハウス「ルースター」の在り方。

その本を読み、感銘を受けた重松氏(現店長)がお店を訪れて、ROOSTERで働き始めたというエピソードも実にこのお店らしくていい。

生演奏を楽しんで、美味しいお酒を飲んでほしい。純粋な音楽との向き合い方を佐藤氏との対話のいたるところに感じることができた。

「ROOSTER」で奏でられる楽しくて身近な音楽に触れてみてはいかがだろう

 

 

【この記事を書いたのは?】
ライター松村