荻窪新聞 2013年6月18日
荻窪新聞

南北通行、なぜ不便なのか

南北を分断する中央線。 なぜ高架化しないのか。
 
「北口(南口)はなかなか足運ばないからよくわからないんだよねー。」 荻窪にお住まいの方はもちろん、荻窪に詳しい方なら誰もが一度聞いたことのある会話なのではないだろうか。
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暑さが増してきた昨今、外を少し歩くだけでもかなりの体力を持っていかれる。ましてや自転車を押して坂を昇り降りすることなどもはや死活問題である。
 
私は荻窪の北口側に住んでいる。ギラギラとした日差しを浴びながら、生きていくために買い物をするのである。
「確か南口のお店でセールがあるはず。」 よし行くかって時に待ち構えているのが件の南北地下道である。
ふくよかな私にとって、自転車を押しながら昇り降りする地下 道はまさに煉獄地獄。考えただけでも汗が止まらないのだ。あーなんで高架になっていないのだろう。
 
高円寺も阿佐ヶ谷も西荻窪も高架で自転車を降りずに南北を横断できるのに、荻 窪はなぜ…もはや恨み節すら出てくる。荻窪だけなぜ高架化しないのか。
荻窪の住民の皆さまが抱えているこの疑問を、出来る限り掘り下げてみようと思う。
今年の夏の暑さが本格化し始めて、理由がわからぬまま恨み節を口ずさむ前に、是非とも調査してみようではないか。
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西口側(環八沿い)は正直怖い。自転車用の エスカレーターがあるのがせめてもの救い。
皆さまの努力のおかげで、地下道特有の薄暗 さはないが、できれば夏は通りたくない。
ここが灼熱地ご、地下道の入り口である。 自転車を押して入るには少し狭い

歴史から見る南北分断。
昔はどう南北を横断して
いたのだろうか。

現在の駅前銀座商店街前の道路は旧青梅街道として利用されていた。
 
かつて荻窪から新宿方面へ向かうときは、天沼陸橋を渡らずに、中央線を横断する踏切をわたって線路を超えていた。
線路を渡った場所から、現在のアメックス前を通る道が昔の青梅街道だったのである。
(左)過去に踏切があった場所
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同じく、西側に位置する地下道 (環八と中央線が交差する)も昔は大踏切だったそうな。うーん、確かに線路の方が歩きはもちろん、自転車でも楽なのだけど…。
 
しかし、中央線は複々線化(中央・総武線と東西 線)しているので、それこそ開かずの踏切になってしまうか。
では、近隣の駅と同様、 なぜ高架にしなかったのだろう。理由を様々な文献を調べてみた。

なぜ高架化してないのか
中央線高架化計画から外
された原因はいかに

なんとなんと、そもそも高架化計画から荻窪駅が外れた理由の一つには、天沼陸橋が工事の妨げになっていたからだそうだ。
 
てっきり高架化出来なかったから天沼陸橋が出来たものだと思 っていたが逆だった。天沼陸橋は軍需物資の輸送に使われていたため、戦前から存在していたそう。
だが戦中にアメリカの艦載機に爆撃され、しばらく利用されていなかった。

車社会になってから天沼陸橋が見直され、現在の青梅街道となった。

しかし、それが逆に仇となって高架化が見送られたとは…。
 
もちろん、経費や技術上の問題で高架化が見送られた部分もあるだろうが、現在の荻窪に住む人の数や街の規模に対して、非高架化はあまりにも不便さが際立っているのではないか。
街発展の妨げの一要因になっていることは言うまでもない。 (左)赤い部分が旧青梅街道
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▲荻窪地区発展協議会の重層化計画案のパース©荻窪百点

ならば今後、どうすれば南北分断問題は解決へ向かうのだろうか

現在、荻窪の南北分断問題を含めた地元の街づくりについて行政や協議体などが再開発に働きかけている。
例えば上の絵にあるように、荻窪地区発展協議会では、荻窪駅の重層化を提案している。経費や技術の面で、行政や自治体、住民の皆さんの協力が無くてはならない計画ではあるだろう。
 
しかし、もし近い将来、荻窪駅周辺が再開発され、駅が高架化もしくは重層化された場合は、南北が繋がり、荻窪は杉並区を代表する大都市へと変貌を遂げるであろう。
そして私たちも、真夏の暑い中、重い自転車を押しながら坂 を昇り降り、息を切らせて汗をかき、ブレーキ音を地下道に響き渡らせながらも買い物をしていた日々を懐かしむ日がいつかくるのだろうか。
 
荻窪で南北間を自由に、そして楽に買い物をしたい皆さま! 是非とも再開発に向けて良い案を一緒に見出してみませんか。